永久脱毛のメリットとデメリット①
脱毛には大きく分けて3種類あります。
(1)疑似脱毛
(2)一時脱毛
(3)永久脱毛
この3種類です。同じ脱毛という言葉を使っていますが、内容は全く異なります。
ここでは(3)の一時脱毛に関して詳しく見ていきます。
永久脱毛の定義
永久脱毛とは、その名の通り2度と毛が生えてこない脱毛のことです。もっとも、生き物の体は、予想外に強い生命力を持っている場合があるので、完璧という訳にはいきません。そこで、医療機関では「最終脱毛から1か月後で、毛の再生率が20%以下である」ことを永久脱毛と定義しています。
永久脱毛の方法
では、永久脱毛をするためには、どうすればよいのでしょうか?
毛は、毛根で作られています。もう少し詳しく言うと、毛根の中には、毛細血管と結合して栄養の補給などを行っている毛乳頭という部分と、毛乳頭から栄養を貰って細胞分裂を繰り返す毛母細胞があります。この毛母細胞という細胞が分裂することで、毛が作られています。なので、毛根に回復不能のダメージを与えることで、2度と毛が生えてこない状態、つまり永久脱毛ができます。
理屈は簡単でも、実行は難しいです。この毛根は、皮下組織という皮膚の下の方にあります。この毛根だけを狙って、ダメージを与えなくてはいけません。
※まさか、皮膚ごと削り取る訳にはいきませんよね!
その為の方法が2つあります。1つ目は小さく細い電気針を使う方法、2つ目はレーザーを使う方法です。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
電気針式永久脱毛の特徴
電気針を使った脱毛法は、電気脱毛法とか針脱毛法などとも呼ばれています。原理はいたってシンプルです。毛根に届くように毛穴に沿って針を差し込み、電気を流します。電気を流すことで、針周辺の細胞を殺してしまいます。結果、毛を作る細胞が無くなるので、二度と毛が生えてこなくなる訳です。
電気の流し方によって、さらに2つの方法に分かれます。1つ目は直流電流を流す電気分解脱毛法、2つ目は高周波の交流を流す電気凝固脱毛法です。
電気分解脱毛法では、直流電気を流すことで水を電気分解しアルカリ性の状態にする。強いアルカリ性はたんぱく質を変性させるので、その働きで毛根の細胞を殺します。通電時間は1分程度とかなり長めです。
電気凝固脱毛法は、交流を流すことで生じる熱によって、針周辺の細胞を焼き殺してしまう方法です。通電時間は0.2~1秒程度とかなり短めです。
ちなみに電気分解脱毛法と電気凝固脱毛法の中間であるブレンド法というのもあります。通電時間は中間の5~20秒程度です。
電気針式永久脱毛のメリットとデメリット
それでは、電気針式脱毛法のメリットを見ていきましょう。
◎メリット1.永久脱毛である
何と言っても、正真正銘の永久脱毛ができます。毛抜きの脱毛では、数か月後には同じように生えてきてしまいますが、電気針を使えば2度と生えてきません。電気針を使った脱毛は1960年頃から行われている古い方法です。その分、症例や効果、ノウハウが蓄積されています。
◎メリット2.どこの毛でも脱毛できる
針さえさせる場所であれば、どこでも脱毛できます。後でも説明せいますが、レーザー脱毛は、日焼けした部分や、色素沈着をおこしている部分には使えません。
電気針式脱毛法には、そういった制約がほとんどありません。
次にデメリットを見ていきましょう。
▲デメリット1.ものすごく痛い
何と言っても、針を刺すわけですから痛いです。細くて短い針ですから、我慢できる程度の痛みかもしれません。でも、さらに電気を流すのです。人によっては「叫びそうになるくらい痛かった」という感想を漏らしています。
もっとも痛みを軽くすることはできます。古い世代に比べ、絶縁針をつかうことで、電気を通す部分を減らして痛みが軽くなりました。また、施術前に十分に冷やして感覚を鈍くすることで、痛みを抑えることも出来ます。医療機関での施術であれば、さらに麻酔も使えます。あまりに痛みが強い場合や、痛みを敏感に感じる部位では、麻酔により痛みは極力減らして脱毛できます。
▲デメリット2.時間がかかる
毛穴に1つ1つに針を入れて、電気を流す。電気を流し終えたら、抜いてまた毛穴に針を1つ1つ差していく・・・。もの凄く根気のいる作業です。結果、脱毛までに時間が掛かります。
例えば、脇の場合、片方だけでも800~1000本もの毛が生えています。その1本1本に針を刺して電気を流していくわけですから、当然時間が掛かります。だいたい、両脇の脱毛1回につき1~1.5時間くらいかかります。当然、まだこれから生えてくる毛もありますから、数か月おきに5~6回程度通う必要があります。延べ時間としては、短くて5時間、長ければ10時間程度かかります。
▲デメリット3.費用がかかる
電気針による脱毛には、費用がかかります。これはデメリット2の時間が掛かることに関係するのですが、医師を一人拘束するのですから、その分の人件費が高くつくのです。こればかりは、どうしようもありません。
▲デメリット4.肌トラブルが起こりやすい
針を刺して、電気を流す・・・。方法が方法だけに、狭い部分ですがどうしても肌は傷つき、火傷をしてしまっている状態になります。そのため、術後にしっかりとしたケアをしないと色々なトラブルに起こしてしまう可能性があります。
病院での施術であれば、術後に化膿止めのクリームを処方してもらえます。医療機関でないと、薬の処方は出来ないので、自己管理になってしまいます。また、万一化膿などの症状が出た場合、病院であればアフターケアしてもらえますが、医療機関以外で施術された場合には、自分で病院を探さなければなりません。
電気針式脱毛は医療機関がおすすめ
デメリットのところでも書いたのですが、針を使った脱毛はどうしてもトラブルになる危険性をはらんでいます。そのため、電気針を使った脱毛を受けるのであれば、アフターケアがしっかりした所で脱毛したほうが良いです。
もし、術後に肌が腫れてしまったとか、化膿してしまった場合、治療が施せるのは医師に限られてしまいます。エステでは、電気針脱毛はできても、治療行為や薬の商法は出来ません。「アフターケアのクリーム」といっても、基本的には薬局で売っているのと同じ化粧品レベルのものしか扱えません。
※もっとも、そのエステティシャンが薬剤師の免許を持っていたら話は別ですが。
アフターケアと万が一の事態のことを考えると、電気針脱毛は医療機関で受ける方が安全であると思います。